子供の顎が小さいとどうなる?リスクと治療法
お子さまの顎が小さいと、将来の歯並びに影響が出るのではないかと不安に感じる親御さんも多いのではないでしょうか。 近年、硬いものを食べる機会が減少したことで、顎の発達が不十分なお子さまが増えています。顎が小さいと、歯並びが悪くなるだけでなく、口呼吸や滑舌の問題、さらには睡眠時無呼吸症候群といった健康面への影響も懸念されます。 しかし、顎の成長期である15歳頃までに適切な対応ができれば、顎を正常に成長させることは十分に可能です。早期に対策を始めるほど、将来の歯並びの乱れを防ぐ効果が高まります。 この記事では、子供の顎が小さくなる原因や、顎が小さいことで起こるさまざまなリスク、そして当院で行っている小児矯正を含めた具体的な治療法について詳しく解説します。お子さまの健やかな成長をサポートするための情報をお届けしますので、ぜひ最後までご覧ください。 目次 子供の顎が小さくなる主な原因 顎の大きさが決まる時期 顎が小さいことで起こるリスク 当院で行う顎を広げる治療法 日常生活で顎の成長を促す方法 よくある質問 まとめ 子供の顎が小さくなる主な原因 お子さまの顎が小さい原因は、大きく分けて「遺伝的要因」と「後天的要因」の2つがあります。 遺伝による影響 骨格は遺伝性が高く、親御さんの顎の大きさがお子さまにも受け継がれる可能性があります。特に、顎の骨の特徴的な形や大きさは遺伝の影響を強く受けます。 上顎や下顎が小さい親御さんの場合、お子さまの顎も小さくなる傾向が見られます。ただし、遺伝的要因があっても、成長期に適切な治療を行うことで顎の発達を促すことは可能です。 食生活による後天的な影響 現代の食生活は、顎の発育に大きな影響を与えています。柔らかい食べ物や加工食品ばかりを好む傾向があると、顎の骨がうまく成長しない可能性があります。 ハンバーグ、ソーセージ、スクランブルエッグなどは、あまり噛まなくても飲み込めてしまいます。こうした食事が続くと、顎や口の周りの筋肉が十分に発達しません。顎の成長は、食べ物を噛み、奥歯でつぶす動作によって促されるため、硬いものをすりつぶすように奥歯を横に動かすことが重要です。 食べ方の習慣 食べ方も顎の発達に深く関係しています。あまり噛まずに丸呑みしたり、食事中の姿勢が悪かったりすると、顎が正しく成長せずに小さいままになる可能性があります。 特に、柔らかいものばかり食べる習慣があると、しっかりと噛む習慣が身につきません。硬いものが出てくる頻度が低いと、噛まずに飲み込むことが多くなり、顎の発達が妨げられます。 顎の大きさが決まる時期 顎の成長には、上顎と下顎でタイミングが異なります。 上顎の大きさは、6歳頃から10歳頃の間にほぼ決まります。この時期は、小学校低学年から中学年にかけての重要な成長期です。一方、下顎の骨は思春期に成長のピークを迎えるため、男の子は18歳頃、女の子は13歳頃にほぼ決まります。 顔全体の成長を見ると、5歳までに40〜45%、10歳頃までに80%が完成し、20歳頃には成長が止まると言われています。このため、顎の成長期に正しく導くことが、将来の歯並びや顔貌(がんぼう)に大きく影響します。 当院では、この成長期を逃さず、お子さまの顎の発達を適切にサポートする小児矯正を提供しています。早期に相談いただくことで、より効果的な治療計画を立てることができます。 顎が小さいことで起こるリスク お子さまの顎が小さいと、見た目だけでなく、健康面にもさまざまな影響を及ぼす可能性があります。 歯並びが悪くなる 顎の骨が歯列の長さより小さい場合、永久歯が生えるスペースが不足します。すると、叢生(そうせい)や八重歯といった、悪い歯並びになってしまう可能性があります。 叢生は、歯が前後したり重なったりして生える状態で、「乱ぐい歯」とも呼ばれます。歯がガタガタに生えているため歯磨きが行き届かず、虫歯や歯周病になりやすいリスクを伴います。 また、上顎前突(出っ歯)は、前歯が前方に出ている状態です。下顎の成長不足が原因の一つで、口が開いていることが多く、口腔内が乾燥してドライマウスとなりやすいため、虫歯や歯周病を引き起こしやすくなります。 反対咬合(受け口)は、下の顎が前に出ている状態です。小さい上顎と大きい下顎の組み合わせのため、反対咬合になる場合があります。 口呼吸になる 上顎が小さいと、鼻腔が狭くなり鼻呼吸に支障が出るため、口呼吸をしがちです。下顎が未発達の場合は、舌の動きに悪い影響を及ぼすため滑舌が悪くなり、上手に食べ物を噛めず、口呼吸になってしまうお子さまもいます。 口呼吸は、口腔内の乾燥を招き、虫歯や歯周病のリスクを高めるだけでなく、喘息を起こしやすくなったり、姿勢や顔つきが悪くなったりする原因にもなります。 いびきや睡眠時無呼吸症候群 下顎が小さいことで、いびきや睡眠時無呼吸症候群に悩まされる可能性も高くなります。顎が小さいと、寝ているときに舌が喉のほうに落ち込んで気道が狭くなるからです。 いびきや無呼吸症候群になると、良質な睡眠がとれずに疲労感が抜けません。お子さまの成長や学習にも悪影響を及ぼす可能性があります。 滑舌が悪くなる 顎が小さいと、舌が十分に動くスペースがとれなかったり、歯並びが悪くなったりするため、滑舌が悪くなります。特に、サ行・タ行・ラ行などの発音がはっきりとできないケースが多いでしょう。 滑舌が悪いことが気になって、人とのコミュニケーションを避けたり、自信を失ったりすることもあります。 抜歯が必要になる可能性 顎が小さくて永久歯の並ぶスペースがないと、矯正治療で将来抜歯の可能性が出てきます。抜歯せずに矯正しようとしても、歯を並べるスペースがないため、抜歯するしかない場合もあります。 当院では、できるだけ抜歯を避け、お子さまの顎の成長を利用した小児矯正を推奨しています。早期に治療を開始することで、抜歯のリスクを減らすことができます。 当院で行う顎を広げる治療法 当院では、お子さまの顎の成長を正しく導くための小児矯正を提供しています。 顎顔面矯正(小児矯正) 顎顔面矯正は、顎の発育不足に対して行う矯正治療です。乳歯の時期や、混合歯列期(乳歯と永久歯が混ざっている状態)に行う治療で、「上顎骨急速拡大装置(RME)」という矯正装置を使用します。 この装置は、上顎骨(鼻上顎複合体)の成長の力をコントロールし、立体的に、正しく健康的な成長を促します。顎の骨自体を広げ、正常な姿に戻してあげることで、永久歯が健康に生えそろうためのスペースを作ります。 治療の流れ […]


