インプラントの安全性は?成功率と安全な治療を受けるための条件
歯を失ったとき、「インプラント治療は本当に安全なのか?」と不安に感じる方は少なくありません。外科手術が必要なこと、高額な費用がかかることから、慎重になるのは当然です。
実際、インプラント治療の成功率は世界的に見ても95%以上と非常に高い数値を示しています。
ただし、この高い成功率を実現するには「適切な診断」「精密な手術」「術後のメンテナンス」という3つの要素が不可欠です。
当院では、オステムデジタルセンターとの連携による高精度シミュレーション、オステムワンガイドを用いた精密手術、オステムIS3による安定性測定など、安全性を追求した治療体制を整えています。この記事では、インプラント治療の安全性を支える要素と、安心して治療を受けるための条件について詳しく解説します。
目次
インプラント治療の成功率と安全性の実態
インプラント治療を検討する際、最も気になるのが「本当に成功するのか」という点でしょう。
現在使用されているインプラントは純チタンやチタン合金を材料としており、骨結合型が一般的です。チタンは無害で発癌性もなく腐食しません。また、組織との親和性が高く、アレルギー反応を生じさせないため、材料が原因で寿命が短縮することはありません。
とあるインプラントメーカーの10年間の臨床研究では、511本のインプラントを使用した結果、成功率97%、生存率98.8%という高い数値が報告されています。生存率とはインプラントが口の中に残っている状態を指し、成功率とは自覚症状がなくインプラント周囲炎の所見がない状態を意味します。
インプラント治療の安全性を脅かす主なリスク要因
インプラント治療には、いくつかのリスク要因が存在します。
手術時に起こりうる偶発事故としては、
大事な血管を傷つけて大量出血を起こす
大事な神経を傷つけて感覚の麻痺を起こす
骨を突き抜けてしまうと
などが挙げられます。
これらのリスクは、事前にCT撮影などの精密な検査を行い、熟練した歯科医師が手術を行うことで避けることができます。
また、器具の消毒・滅菌が十分に行われていないなど、徹底した感染防止対策がなされていない環境で手術を行うと、細菌感染を起こしてインプラントがダメになるリスクが高まります。
長期的な失敗の原因としては、経済的な理由による無理な設計、歯ぎしり等の噛み合わせによるもの、サイズ(フィクスチャー)の選択ミス(細すぎる・短すぎる)などが挙げられます。
インプラント周囲炎の発生率
インプラント周囲炎とは、インプラント周囲の粘膜に炎症が起こり、骨が溶けてしまう病気です。
天然歯の歯周病と似た症状が現れますが、インプラント周囲炎の方が歯周病よりも進行が速いと報告されています。適切な治療を行わなければ、インプラント周囲炎が進行し、治療が困難な状態になると、インプラントを抜かなくてはなりません。
インプラント周囲炎を防ぐには、患者様自身のケアや歯科医院でのメンテナンスが重要です。それだけではなく、インプラントの質も影響していると言われています。
当院のインプラント治療の安全性を高めるための治療体制

当院では、インプラント治療の安全性を最大限に高めるため、最新のシステムと技術を導入しています。
オステムデジタルセンターとの連携による高精度シミュレーション
CTから得られたDICOMデータ、口腔内スキャナーから得られたSTLデータをオステムデジタルセンターに送信し、使用予定のインプラントのデータが反映された極めて高精度なシミュレーションデータを製作します。
患者様ごとの顎の骨の硬さや形状、神経の配置などを詳細に確認しながら、インプラントの適切な埋入位置を診断します。
診断から手術後まで包括的にサポートする、新しいインプラント治療支援システムです。骨の硬さは一様ではなく、人の歯茎には目印が付いていません。だからこそ、コンピューター上での精密なシミュレーションが不可欠なのです。
オステムワンガイドによる精密手術
製作されたシミュレーションデータを基に、高精度なサージカルガイドであるオステムワンガイドを製作します。
当院では、インプラント植立手術においては特に精度と安全性に拘り、自信を持ってオステムワンガイドを使用しています。手術はフリーハンドからガイドサージェリーへと進化しており、計画通りの位置・角度・深さに寸分の狂いもなくインプラントを埋入できます。
フリーハンドの手術が熟練した職人の勘に頼る部分があるのに対し、サージカルガイドを用いた手術は最新のナビゲーションシステムを搭載した車で目的地へ向かうようなものです。
オステムIS3によるインプラント安定性測定
ISQ値(インプラント安定指数)を測定し、植立したインプラント体の安定性を評価するための機器です。
この評価に基づき、インプラントの荷重タイミングを計画することができます。初期段階から安定している場合、通常の待機期間(下顎は3か月、上顎は5か月)を短縮し、早期に荷重をかけることが可能となり、治療期間の短縮につながります。
早期の咀嚼機能の回復を促進できるのは、患者様にとって大きなメリットです。
セデーション(静脈内鎮静法)による安心感
セデーション(静脈内鎮静法)はインプラント治療の際、ほぼ95%以上の方がお選びになられています。
麻酔専門医との協力により、セデーション(静脈内鎮静法)下でのインプラント手術を実施しています。治療中は、歯科医師とは別の麻酔科専門医が全身の状況を常に監視しながら状況をコントロールします。
血圧が高い方や手術に不安を感じる方、リラックスして治療を受けたい方、または嘔吐反射が強い方などに特にお勧めです。
安全なインプラント治療を受けるための条件

インプラント治療の安全性を高めるには、歯科医院選びが極めて重要です。
精密検査と診断体制の重要性
インプラントを行う前には、骨の状態をレントゲンで診断する必要があります。
従来までは、歯科のレントゲン写真だけでその診断を行なっていましたが、立体的に骨の構造を見ることができないレントゲン写真では、血管や神経を傷つけたり、骨を突き抜けたりするリスクがありました。
CTスキャンを行うことで、骨の立体的な状態を把握することができ、そのような事故を防止することができます。より少ない放射線量で撮影ができる歯科用CTスキャンを備えている歯科医院を選ぶことが重要です。
徹底した衛生管理体制
院内感染を防止するために、インプラント手術時だけに限らず、他の歯科治療においても、使用する歯科器具や機材の消毒、滅菌を徹底して行っている歯科医院を選びましょう。
歯科ユニットなどの治療スペースも患者様ごとに清潔に保ち、見えない空気中の汚染に対しても徹底した管理を行なっている環境が理想的です。
カウンセリングと治療計画の丁寧さ
インプラント治療は、お身体の健康状態や、お口の状態、生活習慣などによってインプラント治療がうまくいくのか、長持ちするのか、ということが大きく左右されます。
そのため、事前の診査、カウンセリングを重要視している歯科医院を選ぶことが大切です。インプラント治療以外の治療法も、メリット・デメリットを含めた上で説明してくれる歯科医院が信頼できます。
インプラント治療を行う上でリスクが高いと判断された患者様に対しては、他の治療をおすすめする場合もあるべきです。
定期メンテナンスの充実度
インプラントを長期的に良い状態で保ち続けるためには、治療後の定期的な管理が欠かせません。
定期的なメインテナンス時には、インプラント周囲の炎症がないかどうかの確認、噛み合わせが適正に保たれているかの確認、必要であれば噛み合わせの調整、インプラント周囲を含めたお口全体のクリーニングなどを行います。
歯ぎしりをする方は、インプラントを過剰な噛み合わせの力から守るために、就寝時にマウスピースを装着していただくこともあります。
よくある質問
Q. インプラント治療は痛いですか?
手術は局所麻酔を使用するため、痛みはほとんど感じません。術後に軽い腫れや痛みを感じることがありますが、通常数日で治まります。当院では、セデーション(静脈内鎮静法)も選択できるため、リラックスして治療を受けていただけます。
Q. インプラントは誰でも受けられますか?
基本的には多くの方が受けられますが、全身疾患や骨の状態によっては適さない場合もあります。詳しくはカウンセリングでご相談ください。糖尿病や心臓疾患をお持ちの方、喫煙習慣がある方では、治癒が遅れたり、インプラントが骨と結合しにくい場合があります。
Q. インプラントの寿命はどのくらいですか?
適切なケアを行えば、当院でのインプラントは一般的に20年以上保ちます。定期的なインプラントのメンテナンスが重要です。世界的な統計では、10年後の成功率が95%以上と報告されています。
Q. インプラント治療後に何か制限はありますか?
術後は、数日間は固い食べ物や刺激物を避ける必要があります。また、術後の1週間程度はアルコールや喫煙を控えることを推奨します。治癒期間中は、インプラント部位に過度な力がかからないよう注意が必要です。
Q. インプラントの手入れはどのようにすればいいですか?
インプラントも天然歯と同様に、日々のブラッシングとフロッシングが必要です。また、定期的なインプラントメンテナンスを受けていただき、インプラントの詳細なチェックを受け、専門に訓練を受けた歯科衛生士のプロフェッショナルクリーニングとアドバイスを受けることで、インプラントの健康を維持できます。
まとめ
インプラント治療の安全性は、適切な診断、精密な手術、そして継続的なメンテナンスによって支えられています。
世界的な統計では成功率95%以上という高い数値が報告されており、適切な条件下で行われる限り、非常に安全性の高い治療法と言えます。
当院では、オステムデジタルセンターとの連携による高精度シミュレーション、オステムワンガイドを用いた精密手術、オステムIS3による安定性測定、セデーション(静脈内鎮静法)、再生医療(CGF、AFG)など、安全性を追求した治療体制を整えています。
インプラント治療を検討されている方は、精密検査体制、衛生管理体制、カウンセリングの丁寧さ、メンテナンス体制などを総合的に評価して歯科医院を選ぶことが重要です。
当院では、患者様一人ひとりのお口の状態や全身状態を詳しく診査し、最適な治療計画をご提案いたします。インプラント治療に関するご不安やご質問がございましたら、お気軽にご相談ください。



