矯正治療とは
矯正治療は、歯並びや咬合の問題を改善するための治療方法です。
矯正治療というと見た目の美しさに目がいきがちですが、実は正しいかみ合わせに導くことで全身の健康にもプラスの影響を与えます。また、歯並びを整えることで歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病の予防にも効果的です。
当院では、成人と小児それぞれの特性に合わせた矯正治療を提供しています。
当院の矯正治療
当院では、日本矯正歯科学会認定医による矯正治療を受けていただけます。
日本矯正歯科学会認定医（専門医）とは、実際に矯正治療を行う臨床医師としての資格であり、その取得には医師の治療症例を元にした厳しい基準の審査が課されます。この専門医の資格があることは、高度な技術を有している証とされ、安心して矯正治療を受けていただける保証となります。
成人矯正について
成人矯正とは、すべての歯が永久歯へと生え変わり、顎の骨の成長も既に済んでいる状態から行う矯正治療です。顎骨の成長が完了しているため、子どもの矯正治療のように顎の形を大幅に変えることはできません。しかし、今後大きく歯並びが変わる心配がないため、治療計画を立てやすく、予定通りに治療を進める利点があります。
年齢に関係なく治療を開始することが可能であり、歯全体の矯正だけでなく、前歯の部分的な矯正にも対応できます。
治療期間が長引くことがありますので、患者様のお口の状態やライフスタイルに応じた装置を使用して治療を進めていきます。
ワイヤー矯正
ワイヤー矯正は、歯列矯正の一種であり、メタルブラケットやセラミックブラケットなどの小さな装置（ブラケット）を歯に取り付け、それらをワイヤーで結んで歯を移動させる治療方法です。この治療法は、歯の位置や咬合を改善するために歯を徐々に移動させることで効果を発揮します。
メリット
- 対応できる症例の幅が広い
- 治療効果を得られやすい
デメリット
- 取り外しができず、歯磨きがしにくい
- 装置が目立つ
- 調整直後などは痛むことがある
治療期間・通院回数
ワイヤー矯正の治療期間は個人差がありますが、一般的には約1年半から2年間が目安です。症例の複雑さや治療目標によっては、これより長くなる場合もあります。
通院の頻度は、初期には1ヶ月に1回程度のペースで歯の移動状況をチェックしワイヤーの調整を行います。治療が進むにつれて、2〜3ヶ月に1回のペースで通院することが一般的です。
治療費
| 部分矯正 | 55,000円～440,000円 |
|---|---|
| 全額矯正 | 489,500円～1,100,000円 |
| 分析料 | 33,000円 |
※全て税込費用です。
マウスピース型矯正
マウスピース型矯正治療は、透明なプラスチック製のカスタムメイドのマウスピースを使用して歯の位置を調整する方法です。この治療方法は、従来のブラケットやワイヤーを使用した矯正治療とは異なり、目立たない外見が特徴です。
メリット
- 取り外しができる
- 透明で目立ちにくい
- 金属アレルギーにも対応できる
- 食事の制限がなく、生活習慣を変える必要がない
- 通院の回数が少なくて済む
- 痛みを感じにくい
デメリット
- 自己管理の上、1日22-20時間の装着が必須
- 装着時間が短いと効果が出ない
- マウスピースを紛失する可能性がある
- 対応できない
- 歯並びがある
治療期間・通院回数
個人によって異なりますが、軽度から中等度の歯並びの問題に対しては約6ヶ月から1年程度が一般的です。重度の場合や治療目標によってはそれ以上の期間が必要となることもあります。
マウスピース型矯正は、通常はワイヤー矯正に比べて通院回数が少ない傾向があります。初期の段階では1ヶ月に1回程度の通院が一般的ですが、治療が進むにつれて2〜3ヶ月に1回の通院で済むこともあります。ただし、定期的なチェックアップや新しいマウスピースの装着が必要です。
治療費
| マウスピース型矯正 ※マウスピースの必要枚数によって変わります |
121,000円～1,100,000円 |
|---|
※全て税込費用です。
小児矯正について
子どもの矯正治療は、6～12歳頃の混合歯列期に行う「Ⅰ期治療」と、12歳以降の永久歯列期に行う「Ⅱ期治療」に分けられます。したがって、この期間内であれば、基本的にいつでも矯正治療が可能です。
歯並びの問題が進行してから治療を開始すると、より複雑な治療が必要となり、時間と費用がかかる可能性があります。お子様の歯並びに気になる点がある場合は、その程度にかかわらず、5～6歳の時点で一度ご相談ください。
歯並びの問題は、子どもにとってコンプレックスになるだけでなく、健康な成長を妨げる可能性があります。小児矯正の主な利点は、成長期を活用できる点にあります。例えば、顎の成長を促進することで抜歯を回避したり、正しい咬合を実現したりすることができます。これは成人矯正にはない利点です。
子どものうちに矯正治療を行うメリット
虫歯・歯周病予防
歯が重なったり、でこぼこしていたりすると食べ物のカスが溜まりやすくなりますが、歯ブラシで綺麗に汚れを落としづらくなります。歯がきれいに並ぶことで、食べ物が溜まりにくくなり、歯磨きもしやすくなります。これにより、虫歯や将来の歯周病のリスクを低減できます。
かみ合わせの改善により体の成長や脳の発達を助ける
正治療では、かみ合わせの正確さも重視して治療を行います。前歯と奥歯がそれぞれ適切な役割を果たし、正しい噛む動作ができれば、食事の幅が広がります。これにより、栄養の吸収効率が向上し、脳への刺激も期待できます。
見た目のコンプレックスを改善
成長するに従い、歯並びの見た目を気にするお子様が増えていきます。矯正治療により現在の、あるいは将来的なコンプレックスの解消を図ることができます。
- お子様のモチベーションが大切
- 丁寧なブラッシングしないと虫歯のリスクが上がる
当院で取り扱う小児矯正装置
床矯正装置
この装置はⅠ期治療で使用されます。
顎の適切な成長を促進し、永久歯が適切に配置されるために必要なスペースを確保します。
装置は簡単に取り外しでき、歯磨き時にもストレスを感じません。
メリット
- 取り外し可能で、歯磨きや食事の際に便利
- お子様に合わせた種類の選択肢があり、治療計画を柔軟に調整できる
デメリット
- 初めて装置を使用した際の違和感や不快感がある場合がある
- 定期的な装置の使用と医師の指示に従った調整が必要
治療期間・通院回数
個人差がありますが、治療期間は約6ヶ月から1年程度です。
治療初期は通院が頻繁に必要となります。通常は1ヶ月に1回から数ヶ月に1回のペースでご来院いただき、装置の調整や治療の進行状況を確認します。
治療費
| ダミーテキスト | 00,000円 |
|---|
※全て税込費用です。
ワイヤー矯正装置
歯に取り付けたブラケットにワイヤーを通し、ワイヤーの力で歯を移動させる装置で、Ⅱ期治療において使用します。この装置は、ほとんどの症例に対応できる多目的なタイプの装置です。
メリット
- 長期的に安定した結果を得やすく、持続的な効果が期待できる
- 幅広い症例に対応可能で、個別化された治療計画が立てやすい
デメリット
- ブラケットやワイヤーが目立つ
- 装着初期に口内の違和感を感じる
治療期間・通院回数
ワイヤー矯正の治療期間は、症例や個々の歯の状態によって異なりますが、一般的には約1年半から2年半程度かかる場合が多いです。
また、初期の数カ月間は通院頻度が高くなります。通常は1ヶ月に1回から2回のペースで来院いただきブラケットやワイヤーの調整を行います。
治療費
| ダミーテキスト | 00,000円 |
|---|
※全て税込費用です。
顎顔面矯正
近代においては、軟らかい食事が主体となり、「良く噛む」必要がなくなったため、噛むための筋肉「咀嚼筋の発育不全」がおこり、「上顎の発育不足」がおこり、「下顎の発育不足」がおこります。
さらに栄養状態は良くなったため、一本一本の「歯の大きさの大型化」が起きてきています。
顎骨の小型化と歯の大きさの大型化が同時に存在しているため、小さな顎に大きな歯は並びきらず、ぐちゃぐちゃに生えてきてしまうということが起こり、歯の生えそろうスペースが足りなくなってきています。
顎顔面矯正（小児矯正）は顎の発育不足に対して行う矯正治療です
顎顔面矯正は、乳歯の時期や、混合歯列期（乳歯と永久歯が混ざっている状態）に行う治療です。
「上顎骨急速拡大装置（RME）」という矯正装置を使用して、上顎骨（鼻上顎複合体）の成長の力をコントロールし、立体的に、正しく健康的な成長を促し、顎の骨自体を広げ、正常な姿にもどしてあげることで、永久歯が健康に生えそろうためのスペースを作るものです。
装置を装着し、２～３ヶ月かけて顎を拡大します。広げ終わったら、その後小学校卒業程度まで1～3ヶ月に1回程度の間隔で維持管理をしていきます。その時に、姿勢のチェック、口腔周囲筋（舌や唇など）のトレーニングなども行う場合もあります。
おおむね十分な拡大が行われれば、歯の生えるスペースは確保できるため、歯列矯正（成人矯正）が必要にならないか、必要になったとしてもわずかな矯正で済むことが多く、負担が少なくて済むことが多いです。※100％必要がなくなるわけではありません。
治療費
| 基本施術 | 330,000円～550,000円 |
|---|---|
| 分析料 | 33,000円 |
※全て税込費用です。
※症例の難易度、装置の製作数によって若干の変動があります。
※状態によって急速拡大装置(RME)、床矯正装置を選択して施術いたします。両者での施術料金に変わりはありません。
顎顔面矯正の効果
顎の成長を促進し美しい歯並びにする
顎顔面矯正とは「急速拡大装置」という特殊な装置を使用し、歯だけでなく顎全体を理想的な大きさに矯正することができます。
顎の骨が広がれば、永久歯は本来の正しい位置へ並ぶためおのずと綺麗な歯並びに仕上がります。特に、永久歯への生え換わりの時期にある年齢のお子様には顎顔面治療は非常に効果的な治療法なのです。歯を抜かずに並べることができるのも大きな特徴です。
上下の顎の位置関係を良好にする
顎顔面矯正治療は歯並びだけではなくかみ合わせも考慮した治療法ですので、出っ歯や受け口などを改善することができます。美しい歯並びにするだけでなく、正しい顎の発達が促進されるため、上下の顎の位置関係を正常に戻します。
成長期のお子様のかみ合わせの悪さは、上顎の発育を抑制してしまいます。成人期になると顎の成長は完了してますので、歯を抜き、ワイヤーで歯を並べる、という一般的な矯正治療か、場合によっては外科手術を伴うこともあります。
成長期にある小さなお子様の場合は顎顔面矯正によって、そのリスクを最小限に抑えることが可能なのです。
鼻づまりやいびきの軽減
顎顔面矯正治療では、歯並びを整えるだけでなく、鼻症状の改善も期待できます。
上顎の骨を広げることができれば狭まっていた鼻腔や気道も広がり、鼻づまりだけでなくいびきの軽減も期待できます。
顎顔面矯正治療の目的は歯並びの改善だけが目的なのではなく、顎全体のバランスを改善することで、生体の正常な機能や発育を目的としています。
治療途中の注意
痛み・違和感について
矯正の固定式急速拡大装置を入れるため、装着当初に歯が押されることによる痛み・鼻の付け根に感じる痛みや違和感・異物感・喋りにくいという状態が想定されます。（ほとんどのお子様が数日経てば慣れてきます）
小さいお子様ほど、順応が早い傾向がございます。
一時的に歯並びが悪く見える
上顎を拡げることで歯と歯の間が広がっていきます。これらは歯を綺麗に並べるスペースを確保しているところなのですが、一時的にすきっ歯のようなかたちになることがあります。そのため、本当に歯並びが改善されているのか不安になってしまう方もいらっしゃるかと思います。上の前歯では歯と歯の間が1㎝程度も開くことも普通で、通常、時間とともに整ってきますので、安心してお任せいただければと思います。
適応年齢が限られている
「固定式急速拡大装置」の効果が期待できる年齢は、左右の顎のつなぎ目の正中口蓋縫合が自然に開くことができる年齢を考えると、思春期くらいまでと言われています。
顎顔面矯正の小児矯正では、混合歯列期（永久歯が生え揃う前）の時期に急速拡大装置での上顎の幅を広げて歯を動かす隙間を作ります。混合歯列期の目安は6歳～12歳前後といわれていますが、体の成長はお一人おひとり異なりますので、口腔内の検診が必要です。
拡大期には鼻が横に広がる可能性も
上顎が成長すると鼻腔が広がります。鼻の通りが良くなり鼻呼吸がしやすくなるため、鼻炎、鼻づまり、鼻アレルギーがあるお子様は症状が緩和されるといった傾向があります。
そのため、固定式急速拡大装置を使うことによって鼻腔が広がり鼻呼吸に役立ちますが、拡大期には程度により、一時的に鼻が横に広がる可能性があります。多くの場合は成長につれて元に戻っていきます。
鼻呼吸ができるようになると気道が広がり、お子様の睡眠の質も向上し、健康な発育を促すことができます。
下の写真は装置の一例です。
スポーツマウスガード
当院では、スポーツマウスガードを作成できます。
スポーツマウスガードとは一般的にマウスガードと呼ばれるアイテムで、スポーツ中に万が一の事故から歯を保護するために装着するものであり、保護機能を持ちながらも、パフォーマンスに影響を与えないことが理想とされています。
スポーツは身体を動かし、ストレスを解消するため、心身の健康に良いとされています。しかし、ケガのリスクも常に伴い、特に前歯が折れたり傷ついたりすることがあります。さらに、お口の中は非常に複雑な構造をしているため、一般的なマウスピースでは不快感(違和感、息苦しさ、話しにくさ)を感じることもあります。
当院では、保護機能を確保しつつ、スポーツのパフォーマンスを妨げないマウスピースを製作しています。
スポーツマウスガードVIA(ヴィア)について
治療費
| 基本施術 | 16,500円～27,500円 |
|---|
※全て税込費用です。
