インプラント術後の注意点|専門医が教える回復を早める7つのポイント
インプラント手術後のために知っておくべきこと
インプラント手術を終えたばかりの患者様から、よくこんな質問をいただきます。
「いつから普通の食事ができますか?」「運動はいつ再開していいんでしょうか?」「この痛みは正常ですか?」
手術が無事に終わっても、その後の過ごし方次第で回復の速さは大きく変わります。実は、術後の注意点を守ることが、インプラントの長期的な成功を左右する鍵になるのです。
この記事では、インプラント治療に携わってきた経験から、術後の回復を早め、トラブルを防ぐための具体的なポイントをお伝えします。手術直後から数ヶ月後まで、時期ごとに気をつけるべきことを詳しく解説していきますので、ぜひ最後までお読みください。

目次
インプラント術後すぐ〜1週間:最も重要な初期ケア期間

手術直後から1週間は、インプラントの成功を決める最も重要な時期です。
この期間の過ごし方が、その後の治癒経過を大きく左右します。
麻酔が切れるまでの食事制限
局所麻酔の効果は通常2〜3時間程度続きます。麻酔が効いている間は、口元の感覚が鈍くなっているため、熱い食べ物でやけどをしたり、誤って頬や唇を噛んでしまう危険性があります。麻酔が完全に切れるまでは、できるだけ食事を控えることをお勧めします。
どうしても空腹の場合は、おかゆやスープ、ゼリーといった咀嚼を必要としない柔らかいものを選んでください。
食事内容の調整が回復を左右する
術後2〜3日間は、フランスパンやナッツ類、おせんべいといった硬い食べ物は避けてください。インプラント体や周囲の組織に過度な負担をかけてしまいます。また、辛い料理や酸味の強い食品も、刺激が強すぎて痛みや腫れ、出血の原因になりかねません。
食事をする際は、治療した側と反対側の歯で噛むように心がけましょう。
タンパク質やカルシウムを豊富に含む食品は、骨の健康やインプラントの安定を助けます。卵、魚、豆類、緑黄色野菜などを積極的に摂取することで、回復を促進できます。ただし、これらも柔らかく調理したものを選んでください。
飲酒と喫煙は要注意です
アルコールは血行を促進させるため、出血や痛み、腫れを助長させる恐れがあります。
術後2,3日は飲酒を控えましょう。喫煙はさらに深刻な問題を引き起こしやすくなります。タバコに含まれるニコチンは血管を収縮させ、インプラント部位への酸素や栄養の供給を妨げるため、治癒が遅れやすく、感染症のリスクも高まります。少なくとも数週間から数ヶ月間は禁煙を心がけることを推奨します。
運動と入浴の制限
血行が良くなると、傷口から出血しやすくなります。当日は激しい運動を控え、無理をしないでください。
入浴は血行を促進させるため、当日は熱いお風呂に長く浸かることは避けてください。
インプラント術後の止血と口腔ケア:感染を防ぐために
手術直後は歯科医院で止血処置を行いますが、帰宅後に出血することもあります。
適切な止血方法を知っておく
出血が見られた場合は、慌てず清潔なガーゼを施術部位で噛んで圧迫止血してください。10〜15分程度で適宜ガーゼを新しいものに交換しましょう。唾に混ざって血が出てくるので、最初は量が多いと錯覚して驚くかもしれません。しかし、適切に止血できていれば通常翌日には収まります。
歯磨きは慎重に、でも怠らない
術後は傷口を刺激しないよう、毛先の柔らかい歯ブラシを使用しましょう。硬い歯ブラシを使用してしまうと、施術部分に触れた際に出血しやすいので注意が必要です。抜糸を終えるまでの1週間〜10日程度は、傷口を直接触らないように注意してください。
ただし、口腔内を清潔に保つことは非常に重要です。
治療した部分以外の歯はいつも通り磨きましょう。施術部分の清潔を保つためには、マウスウォッシュの活用をお勧めします。当院でもうがい薬を処方していますので、朝晩や食事後に使用してください。ただし、強くブクブクとうがいをするのは出血の原因となるため、刺激にならない程度に優しく行いましょう。
インプラント術後1週間以降:ケアの継続が成功の鍵

術後すぐの1週間を過ぎると、痛みや腫れも落ち着いてきます。
しかし、ここでケアを怠ると、せっかくの回復が遅れてしまいます。
モチベーションの維持が重要
術後すぐは高いモチベーションで注意深くケアできますが、1週間を過ぎるとどうしても気が緩みがちです。ただし、適切なケアを継続しなければ、インプラントの定着に悪影響を及ぼす可能性があります。
この時期も引き続き、以下のポイントを意識して過ごしましょう。
鎮痛剤と抗生物質の正しい服用
術後は施術部分に痛みを感じることがあります。痛みを感じたら、処方された鎮痛剤を上手に活用しましょう。
抗生物質については、医師の指示通りに最後まで飲み切ることがとても大切です。
服用を中断したり飲み忘れたりすると、細菌が抗生物質耐性を獲得する可能性があります。耐性菌が発生すると、その後の治療で抗生物質が効かなくなるリスクが高まるため、決められた通りに最後まで服用してください。
インプラント術後に避けるべき行動とその理由
術後の回復を妨げる行動を知っておくことも重要です。
喫煙が与える深刻な影響
タバコを吸うことで、インプラントが顎の骨に結合しにくくなってしまう恐れがあります。傷の治りが遅くなったり、炎症を引き起こしたりする可能性も高まります。喫煙者の場合、インプラントの成功率が非喫煙者と比べて著しく低下するという研究結果もあります。
術後の禁煙は、インプラントの長期的な成功に直結します。
よくある質問と回答
Q1. インプラント治療は痛いですか?
手術は局所麻酔を使用するため、痛みはほとんど感じません。術後に軽い腫れや痛みを感じることがありますが、通常数日で治まります。処方された鎮痛剤を適切に使用することで、痛みをコントロールできます。
Q2. インプラントは誰でも受けられますか?
基本的には多くの方が受けられますが、全身疾患や骨の状態によっては適さない場合もあります。詳しくはカウンセリングでご相談ください。当院では、骨量が足りない場合でもGBRやクレスタル、ラテラルといった骨再生治療を行うことで、インプラント治療を可能にしています。
Q3. インプラントの寿命はどのくらいですか?
適切なケアを行えば、当院でのインプラントは一般的に20年以上保ちます。定期的なメンテナンスが重要です。当院では、ガイドデント株式会社との業務提携により、インプラント10年保証制度を設けており、万が一の場合も安心です。
Q4. インプラント治療後に何か制限はありますか?
術後は、数日間は固い食べ物や刺激物を避ける必要があります。
Q5. インプラントの手入れはどのようにすればいいですか?
インプラントも天然歯と同様に、日々のブラッシングとフロッシングが必要です。また、定期的なメンテナンスを受けていただき、インプラントの詳細なチェックを受け、専門に訓練を受けた歯科衛生士のプロフェッショナルクリーニングとアドバイスを受けることで、インプラントの健康を維持できます。
まとめ:インプラントは術後ケアも大事です
インプラント治療は術後のケアも大事です。
術後当日は、食事や飲酒・喫煙、運動、入浴に気を付けてい、適切な口腔ケアを行うことが必要です。長期的には、十分な睡眠、定期的なメンテナンス、禁煙の継続が、節度ある生活習慣がインプラントの寿命を延ばす鍵となります。
インプラント治療をお考えの方、術後のケアに不安がある方は、ぜひ池田歯科医院にご相談ください。経験豊富なスタッフが、あなたの健康な笑顔を取り戻すお手伝いをいたします。詳細については、お気軽にお問い合わせください。



