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リップアートメイクのデメリットとは?後悔しないための注意点を専門家が解説

リップアートメイクのデメリットとは?

すっぴんでも血色のいい唇をキープできるリップアートメイク。口紅を塗り直す手間が省け、マスク生活でも色落ちしないという魅力に惹かれている方も多いのではないでしょうか。

しかし、施術を受ける前に知っておきたいのが、リップアートメイクのデメリットです。

簡単に消せない、痛みがある、ダウンタイムが必要など、事前に理解しておくべき注意点がいくつも存在します。この記事では、歯科医師として多くの患者様の口元を診てきた経験から、リップアートメイクのデメリットと後悔しないためのポイントを詳しくお伝えします。

リップアートメイクとは?基本を知っておこう

リップアートメイクとは、専用の針を使って唇の表皮層から真皮層の浅い部分(約0.04~0.2mm程度)に色素を注入する美容施術です。

タトゥーとは異なり、皮膚の浅い層に色素を入れるため、1年から3年程度で徐々に薄くなっていきます。

唇のくすみを取り除き、理想の色と形を実現できるのが最大の特徴ですね。施術は基本的に2回セットで行われることが多く、1回目で大まかな色を入れ、2回目で色を定着させていきます。

歯科医院で受けるメリット

美容外科ではクリーム状の表面麻酔を使用しますが、歯科医院では口腔内麻酔(浸潤麻酔)を使用できるため、痛みをほとんど感じることがありません。

歯科医師は口腔内の専門家であり、麻酔技術にも長けています。施術時の出血が少なく、色素が定着しやすいというメリットもあるんです。処置時間も30分から45分ほどと比較的短く済みます。

また、唇と歯の関係や口元全体のバランスを考慮した施術が可能です。ご希望に応じて、矯正やホワイトニングなどを組み合わせた総合的な口元の美容治療も提案できます。

フルリップ

唇全体に同じ色を入れるデザインで、唇の色ムラが気になる方やボリューム感を出したい方に適しています。すっぴんでも口紅をつけたような自然な血色感を演出できるのが魅力です。

リップアートメイクの主なデメリット

 

魅力的なリップアートメイクですが、施術を受ける前に知っておくべきデメリットがいくつかあります。

後悔しないためにも、これらの点をしっかり理解しておくことが肝要です。

簡単には消せない・変更できない

リップアートメイクの最大のデメリットは、一度施術すると簡単には消せないという点です。個人差もありますが、初回に2回施術すると一年ほどもちます。もちろん輪郭などは丁寧なカウンセリングを行い決めていきます。

施術時の痛みと不快感

唇は皮膚が薄く粘膜であるため、眉毛やヘアラインの施術と比べて痛みを感じやすい部位です。

歯科医院では口腔内麻酔を使用するため痛みはかなり軽減されます。体調が悪かったり唇が荒れていたりすると、普段よりも刺激を感じやすくなることもあるんです。

施術後も数日間は多少の違和感があり、軽い痛みが残る場合があります。そのような場合は消炎鎮痛剤を服用していただくこともあります。

ダウンタイムがある

リップアートメイクの施術後には、約1週間のダウンタイムがあります。

施術当日から2日程度は腫れや赤みが目立つ場合があり、その後少しずつ腫れが引いていきます。7日から12日前後で皮がむけてきますが、無理にはがすとせっかく入れた色が剥がれ落ちてしまう可能性があるため注意が必要です。

ダウンタイム中には以下のような症状が現れることがあります。

  • 腫れ
  • 赤み
  • 一時的な濃い発色
  • 乾燥
  • 皮むけ

施術後24時間はお酒やサウナ、長風呂、激しい運動など新陳代謝が上がる行為は控える必要があります。2日から3日は辛い物などの刺激物は避けたほうがいいでしょう。

口唇ヘルペスのリスク

リップアートメイクの施術は、唇の表層に細かい傷を付けて色素を入れていく操作になります。

細かい傷口から菌やウイルスが侵入して化膿することがあるため、特に口唇ヘルペスをお持ちの方は注意が必要です。当院では、ヘルペスウイルスに弱い方には前投薬を処方し、ウイルスを抑えるための予防措置を取っています。

体調不良だとヘルペスが出やすくなりますので、施術前は体調を整えておくことが重要ですね。わからない方にも予防薬をお出しして対応していますので、安心して受けていただけます。

色ムラや変色の可能性

リップアートメイクの色素の定着には個人差があり、体質や唇の状態、ダウンタイム中の過ごし方などに影響を受けます。

そのため、唇の一部だけが色抜けして薄くなったり、左右で色の濃さが異なったりする色ムラが生じることがあるんです。また、時間の経過とともに色が退色 変色してしまうケースも報告されています。

これらのリスクを最小限に抑えて効果を確実にするために、初回は二回の施術を受けることを推奨します。

リップアートメイクで後悔しないための注意点

リップアートメイクで後悔しないためには、施術前の準備と施術者選びが非常に重要です。

ここでは、満足のいく施術を受けるための具体的なポイントをお伝えします。

信頼できる施術者を選ぶ

リップアートメイクは医療行為であり、医師、および歯科医師、また医師、歯科医師の指導の下に看護師、歯科衛生士のみが施術できます。必ず医療機関で受けることが大切です。

違法サロンでの施術は絶対に避けてください。

自分に似合うデザインを選ぶ

「こんな色にしたい」「こんなイメージにしたい」という理想があっても、それが自分の顔に似合うかどうかは別問題です。

希望していた形にならなかったり、イメージ通りだったけど自分には似合わなかったという理由で後悔してしまう可能性もあるんです。

施術者としっかりイメージを共有するのはもちろん、自分に似合うデザインかも必ずチェックしておきましょう。唇の形は表情によっても変化しますので、表情の変化も加味して丁寧にデザインを考えてもらうことが重要です。

当院では口元との調和を一番に考えています。お顔全体が明るくなるような治療を心掛けており、治療前後の写真を撮って違いを見ていただくようにしています。

施術前の準備を怠らない

リップコンディションがいい状態でアートメイクを行ったほうが、仕上がりも色の定着も良くなります。

治療の2週間前から唇と周辺の保湿を心掛け、リップティントや刺激の強い化粧品の使用も避けていただきます。体調を整えておくことも大切です。普段使用している口紅や、理想の唇の色や形の画像などがあると参考になりますので、できるだけ準備をお願いしています。

施術を受けられない条件に該当しないかも確認が必要です。妊娠初期の方、施術箇所に治癒途中の傷口や重度のニキビがある方、皮膚疾患や重度の心疾患などの疾患を持っている方、重度の金属アレルギーなどアレルギー体質の方、抗凝固血薬療法を行っている方などは施術を受けられない場合があります。

アフターケアをしっかり行う

施術後のケアは、色の定着と仕上がりの美しさに直結します。

保湿が最も重要で、治療後5日間はお渡しする専用保湿剤で保湿をしていただきます。お顔は簡単に洗顔していただき、その際は唇を専用保湿剤で覆うようにします。唇に傷を付けるため口唇ヘルペスのリスクがあり、ヘルペスがご心配な方は予防薬を3日間内服していただきます。事前準備とアートメイク後にしっかり保湿することで、皮剥けを最小限に抑えることができます。

施術後の唇はどうなる?長期的な視点

 

リップアートメイクは永遠にデザインがキープできる美容医療ではありません。

時間が経過すると、どのような変化が起きるのでしょうか。

色の変化と持続期間

個人差はありますが、リップアートメイクは1年から2年程度持つといわれています。2年後だとかなり色が抜けている可能性が高く、施術したてのときに比べるとほとんど元の唇の状態に戻っているでしょう。

唇は特に色が抜けやすい部位で、他のアートメイク(眉やアイライン)に比べると持続期間が短い傾向にあります。これは、唇の皮膚が薄くターンオーバー(肌の生まれ変わり)が早いことや、飲食や唇の動きによる摩擦が多いことが関係しているんです。

2年後には色ムラが起こったり、色抜けが目立ったり、唇の左右差が出てくる可能性もあります。

リタッチの重要性

「リップアートメイクの色味が薄くなってきた」と感じる場合は、クリニックでリタッチを受けましょう。

リタッチとは、アートメイクを再度施術してもらうことです。以前のアートメイクが薄くなっている場合に色を足したり、少しだけデザインを変えたりできます。リタッチを受ければ施術を受けた直後のような状態をキープできるので、1年に1回程度おこなうとよいでしょう。

長く美しい唇を保ちたい方には、定期的なメンテナンスをおすすめしています。

症例

before after

項目 内容
性別 / 年齢層 20代女性
主訴 / 診断名 唇の黒ずみを治したい
施術名 リップアート
治療回数 2回
 
before after
項目 内容
性別 / 年齢層 50代女性
主訴 / 診断名 唇のくすみと色むらを治したい
施術名 リップアート
治療回数 2回
 
before after
項目 内容
性別 / 年齢層 20代女性
主訴 / 診断名 唇のくすみが気になる
施術名 リップアート
治療回数 2回

リップアートメイクに関するよくある質問(Q&A)

リップアートメイクについて、患者様からよくいただく質問をまとめました。

Q1. リップアートメイクは誰でも受けられますか?

当院では18 20歳以上を対象にしています。施術は基本的に2回ですが、1回のみご希望の方も可能です。ご希望があれば、男性も受けていただけます。

ただし、唇に急性期の炎症がある方、免疫治療中の方、ケロイド体質の方、アトピー治療中の方、麻酔アレルギーの方、金属アレルギーの方、妊娠中の方などは施術を受けられません。自分が該当者か不安な方は、一度無料カウンセリングを利用してみることをおすすめします。

Q2. 施術直後に食事はできますか?

施術直後は唇が敏感になっているため、食事には注意が必要です。

お水やジュースは大丈夫ですが、熱いものや刺激のあるものは痛みを感じる可能性があります。施術当日は唇に刺激のない、やさしい食べ物を選ぶことをおすすめします。2日から3日は辛い物などの刺激物や、色の濃い食べ物は控えてください。

Q3. タトゥーとの違いは何ですか?

タトゥーは皮膚の深い層まで色素を入れるため半永久的に残りますが、アートメイクは皮膚の浅い層に入れるため、肌のターンオーバーによってだんだんと薄くなってきます。

リップアートメイクの場合、個人差はありますが2回の施術で1-2年21-2年から3年持続するといわれています。完全に消えるわけではありませんが、タトゥーのように永久に残るものではないんです。

Q4. 施術後にメイクはできますか?

アートメイクの上から口紅やグロスを塗ることもでき、その日の気分や洋服に合わせて変化も楽しんでいただけます。

ただし、ダウンタイム中は唇への刺激を避けるため、施術部位へのメイクは控えていただきます。1週間程度経過し、皮むけが落ち着いてからリップメイクを再開してください。

Q5. 費用はどのくらいかかりますか?

当院でデンタルアートメイクを受ける場合、初回(2回セット)の治療費が88,000円リタッチの治療費が44,000円で、いずれも税込みです。治療費にはカウンセリング、施術、保湿剤などのお薬が含まれています。

デンタルアートメイクに関するご相談・カウンセリングは無料で承っています。一般的なリップアートメイクの費用相場は80,000円から120,000円前後ですが、クリニックによって料金設定は異なります。

まとめ:リップアートメイクで理想の唇を手に入れるために

リップアートメイクは、すっぴんでも血色のいい唇をキープできる魅力的な施術です。

しかし、簡単には消せない、痛みがある、ダウンタイムが必要、口唇ヘルペスのリスクがあるなど、いくつかのデメリットも存在します。これらのデメリットを理解したうえで、信頼できる医療機関を選び、自分に似合うデザインを慎重に決めることが重要です。

私たちがデンタルアートメイクで目指しているのは、紫外線や加齢の影響などによってくすんでしまった唇を本来の色に戻し、自然で美しい色や形にしていくことです。そして、唇の血色がよくなって肌のトーンがアップし、若々しい印象になって笑顔になっていただければと思っています。

唇に悩みがある方、気になっている方は、ぜひお試しいただきたいと思います。コンプレックスが解消され、笑顔で毎日過ごせるようになっていただけたらうれしいです。

著者情報

池田 由美子

所属学会・資格

  • 日本アンチエイジング歯科学会認定医
  • Global Academy Japan Short international cource soft and hard tissue surgeryⅡ(Faculty of Dentistry,Chulalongkorn University)修了
  • JSDA Teeth Whitening Expert取得
  • 日本顎顔面美容医療協会(Jmfas)認定医
  • 日本有床義歯学会(JPDA)所属・日本口腔インプラント学会所属
  • 日本美容歯科医療協会 口腔ヒアルロン酸・歯科ボツリヌス認定医
  • 日本抗加齢美容再建歯科協会(AesthticReconstruction)講師
  • 第一種歯科感染管理者(日本・アジア口腔保健支援機構)
  • 日本先端歯科技術研究所インプラント認証医
  • Advanced Implant Institute Japan2022年中期コース修了
  • 点滴療法研究会高濃度ビタミンC点滴認定医



池田歯科医院

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