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インプラントのメリット・デメリット〜自然な噛み心地と注意点を専門医が解説

インプラントのメリット・デメリットについて

歯を失った際の治療法として、インプラントに関心をお持ちの方は多いでしょう。入れ歯やブリッジとは異なり、インプラントは自然な噛み心地を取り戻せる治療法として注目されています。

ただし、外科手術を伴うため不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。

この記事では、インプラント治療のメリットとデメリットを詳しく解説いたします。治療期間や費用、当院で採用している最新システムについても触れますので、治療を検討されている方はぜひ参考にしてください。

インプラント治療は、失った歯の機能を回復させるだけでなく、残っている健康な歯を守ることにもつながります。適切な知識を持って治療に臨むことが、満足度の高い結果を得る鍵になります。

インプラント治療とは〜天然歯に近い機能回復を目指す

インプラント治療は、歯が失われた部分にチタン製の人工歯根を埋め込み、その上に人工歯を装着する治療法です。

入れ歯やブリッジと大きく異なるのは、顎の骨に直接固定される点です。チタンは生体適合性が高く、骨としっかり結合する性質を持っています。この「骨結合」により、天然歯と同じようにしっかりと機能するのです。

インプラントは独立した構造のため、ブリッジのように隣の健康な歯を削る必要がありません。また、入れ歯のように取り外す手間もなく、日常生活の中で天然歯と同じように扱えます。定期的なメンテナンスをしっかり行えば、第二の永久歯として長く使用できるのが特徴です。

入れ歯・ブリッジとの違い

入れ歯は取り外し式で、金属のバネを残っている歯にかけて安定させます。噛む力は天然歯の1/3~1/10以下になり、装着中にずれる違和感があることも少なくありません。またお餅など粘る食材の場合、外れて窒息する危険性もあります。

ブリッジは固定式ですが、失った歯の両隣の健康な歯を削って土台にする必要があります。噛む力は天然歯の約6割程度で、支える両端の歯にはつり橋のように継続的に負荷がかかります。

一方、インプラントは噛む力が天然歯と同等です。硬いものもしっかり噛めて、自然な噛み心地を実現します。周りの歯にダメージを与えることもなく、しっかりとした支えが増えることで周りの歯を守る機能もあります。支えが増えることではありません。

インプラントの主なメリット〜自然な見た目と機能性

 

インプラント治療には、他の治療法にはない大きなメリットがあります。

自然な見た目と噛み心地

インプラントは骨と結合するため、自分の歯のように自然な見た目と噛み心地を提供します。セラミックやジルコニアなどの素材を使用することで、天然歯と見分けがつかない審美性を実現できます。

入れ歯のように金属のバネが見えることもなく、思いっきり笑ったり会話したりする際も、見た目を気にする必要がありません。

長期的な安定性

適切なケアを行えば、インプラントは非常に長持ちします。10年以上の生存率は95%以上と報告されており、従来の義歯やブリッジよりも安定性が高く快適です。

当院では、ガイドデント株式会社との業務提携により、インプラント10年保証制度を設けています。保証期間内であれば、インプラント体の脱落や破折、上部構造の破損が発生した場合に一度無償で再外科治療を受けられます。

健康な歯を守る

ブリッジのように隣接する健康な歯を削る必要がないため、他の歯に負担をかけません。歯は削れば削るほど寿命が短くなりますので、健康な歯を温存できることは大きな利点です。

部分入れ歯の場合、金属のバネが歯にかかるため負担が大きく、その結果、負荷がかかった歯は脆く弱くなる可能性があります。インプラントは独立した構造のため、周りの歯や歯ぐきがダメージを受けることはありません。

顎の骨の吸収を防ぐ

天然歯の歯根部分は顎の骨に埋め込まれているため、歯を失ってしまうと顎の骨は次第に痩せていってしまいます。

インプラントでは、直接顎の骨にインプラント体を埋め込むため、直接刺激が顎の骨に伝わるようになり、顎の骨が痩せてしまうのを防げます。これにより、顔貌の変化を抑え、若々しい印象を保つことにもつながります。

インプラントのデメリットと注意点〜治療前に知っておくべきこと

 

メリットが多いインプラント治療ですが、デメリットや注意点も存在します。

外科手術のリスクが伴う

インプラント治療には外科手術が必要であり、リスクが伴うため、慎重に対応いたします。局所麻酔を使用するため、手術中の痛みはほとんど感じませんが、術後に軽い腫れや痛みを感じることがあります。通常は数日で治まります。

当院では、麻酔専門医との協力により、セデーション(静脈内鎮静法)下でのインプラント手術を実施しています。削除 s血圧が高い方やご高齢な方、 g手術に不安を感じる方、リラックスして治療を受けたい方に特にお勧めです。

当院でインプラント治療を受けられる患者様のほぼすべての方がセデーションを併用したインプラント治療を受けることをお選びになられております。翌日の消毒時に手術の感想を伺うと、「全然怖くなかった、あっという間に終わった、全然嫌な記憶がないとおっしゃられ、手術に対して非常に高い満足感を示されております。

治療期間が長い

治療期間は個人差がありますが、通常はインプラント手術後に2〜6ヶ月の治癒期間を設けます。その後、人工歯を装着します。骨の状態や追加の処置(骨移植など)が必要な場合は、さらに時間がかかることがあります。

通院回数は4〜8回程度で、上顎の治療期間は2〜4ヶ月、下顎は2〜3ヶ月が目安となっています。入れ歯やブリッジと比べると治療期間が長いというデメリットがあります。

ただし、当院では

オステムIS3インプラント安定性測定器を使用しており、植立直後に安定度を図り、そのデータをもとに待機期間を設定します。それにより不必要な待機期間を短縮し、早期に荷重をかけることが可能となります。これにより治療期間の短縮につながり、早期の咀嚼機能の回復を促進します。

費用が高額になる

インプラント治療は保険が適応されない自費治療です。そのため、入れ歯やブリッジと比べて治療費が高額になりがちです。さらに治療費だけではなく、治療後のメンテナンスによる維持費もかかります。

当院のインプラント治療費は、インプラント1歯あたり198,000円(税込)で、別途アバットメント費用33,000円、上部構造費用(臼歯77,000円、前歯99,000円)などがかかります。また、オステムデジタルセンターでの診断分析費用や、必要に応じてOneGuide、再生医療、セデーションなどのオプション費用が発生します。

ただし、医療費控除の対象となりますので、確定申告を行うことで税金の還付を受けられる可能性があります。

メンテナンスが必要

インプラントも天然歯と同様に、定期的なメンテナンスが必要です。適切な口腔衛生を維持しなければ、インプラント周囲の歯肉炎や骨の吸収が起こり、インプラントの安定性が損なわれる可能性があります。

インプラント治療の感染症で一番怖いのは、骨を溶かしてしまうインプラント歯周炎という病気です。自覚症状がある場合はすでに病気が進行していることが多いため、治療終了後は定期的なメンテナンスを是非受けるようにしましょう。

当院では、6か月に1回のペースでメンテナンスを受けることをお勧めしています。メンテナンス費用は5,500円です。

よくある質問〜患者様の疑問にお答えします

インプラント治療について、患者様からよくいただく質問をまとめました。

Q1. インプラント治療は痛いですか?

手術は局所麻酔を使用するため、痛みはほとんど感じません。術後に軽い腫れや痛みを感じることがありますが、通常数日で治まります。当院では麻酔専門医との協力によるセデーション(静脈内鎮静法)も提供しており、リラックスして治療を受けていただけます。

Q2. インプラントは誰でも受けられますか?

基本的には多くの方が受けられますが、全身疾患や骨の状態によっては適さない場合もあります。管理されていない心臓や肝臓の病気、糖尿病などの全身疾患がある方は治療ができないことがあります。また、顎の骨が著しく減っていると、治療が困難になり治療期間が長引く場合があります。詳しくはカウンセリングでご相談ください。

Q3. インプラントの寿命はどのくらいですか?

適切なケアを行えば、当院でのインプラントは一般的に20年以上保ちます。定期的なインプラントのメンテナンスが重要です。10年以上の生存率は95%以上と報告されており、長期的に安定した治療法と言えます。

Q4. インプラント治療後に何か制限はありますか?

術後は、数日間は固い食べ物や刺激物を避ける必要があります。また、術後の1週間程度はアルコールや喫煙を控えることを推奨します。喫煙はインプラントの成功率を下げる要因となりますので、できれば禁煙をお勧めします。

Q5. インプラントの手入れはどのようにすればいいですか?

インプラントも天然歯と同様に、日々のブラッシングが重要です。また、定期的なインプラントメンテナンスを受けていただき、インプラントの詳細なチェックを受け、専門に訓練を受けた歯科衛生士のプロフェッショナルクリーニングとアドバイスを受けることで、インプラントの健康を維持できます。

まとめ〜インプラントで取り戻す自然な噛み心地

インプラント治療は、自然な見た目と噛み心地を実現し、健康な歯を守りながら長期的に安定した機能を提供する治療法です。

外科手術が必要で費用も高額になりますが、適切なケアとメンテナンスにより、第二の永久歯として長く使用できます。入れ歯やブリッジでは得られない快適さと機能性が、インプラントの大きな魅力です。

当院では、オステムデジタルセンターとの連携による高精度なシミュレーション、オステムワンガイドを使用した精密な手術、世界水準のオステムハイオッセンインプラント、再生医療による治癒促進など、最新のシステムを採用しています。

麻酔専門医との協力によるセデーション(静脈内鎮静法)や、インプラント10年保証制度など、患者様が安心して治療を受けられる環境を整えております。

歯を失ってお困りの方、入れ歯やブリッジに満足できない方は、ぜひ池田歯科医院にご相談ください。患者様一人ひとりの状態やご希望に合わせた、最適な治療計画をご提案いたします。自然な噛み心地を取り戻し、快適な食生活と笑顔を手に入れましょう。

 

著者情報

池田 丈博

所属学会・資格

  • IDIAインプラント学会認定医
  • 日本歯科先端技術研究所所属
  • 日本口腔インプラント学会所属
  • 日本顎咬合学会所属
  • Fundacion Dr Garg:3Day Live patient Post Graduate course in Dominican Republic 修了
  • 2019 AII(Advanced Implant Institute of Japan)外科実習・ライブオペ6日間コース修了
  • 2020 AII(Advanced Implant Institute of Japan)外科実習・ライブオペ6日間コース
  • 日本口腔インプラント学会認定講習会(100時間セミナー)修了
  • JIADS PerioコースおよびDGPコース修了
  • OSSTEM OneGuideコース、GBR、Sinus Basicコース修了
  • SBC歯周形成外科コース、Sinus Approachコース修了
  • ILSC即時荷重研究会所属
  • マイクロスコープハンズオンセミナー修了
  • 日本口腔外科学会所属
  • 日本口腔内科学会所属
  • 嵌植義歯研究会所属



池田歯科医院

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