矯正歯科治療とエラボトックスの併用で得られる7つの効果

矯正歯科治療とエラボトックスの併用で美しい口元を手に入れる
美しい口元は、健康な歯並びと調和のとれた顔のラインから生まれます。近年、矯正歯科治療とエラボトックス(ボツリヌストキシン療法)を併用することで、より効果的に口元の美しさを追求できることがわかってきました。
歯並びを整えるだけでなく、顔のラインまで美しく整えたい・・・そんなご要望にお応えするため、当院では矯正歯科治療とエラボトックスを組み合わせた総合的なアプローチをご提案しています。
この記事では、矯正歯科治療とエラボトックスを併用することで得られる7つの効果について、歯科医師の視点からわかりやすく解説していきます。
目次
矯正歯科治療とエラボトックスの基本を知ろう
まずは、矯正歯科治療とエラボトックスそれぞれの基本的な効果について確認しておきましょう。両者の特徴を理解することで、併用する意義がより明確になります。
矯正歯科治療とは
矯正歯科治療は、歯並びや咬合(かみ合わせ)の問題を改善するための治療法です。見た目の美しさだけでなく、正しい咬合に導くことで全身の健康にもプラスの影響を与えます。また、歯並びを整えることで歯磨きがしやすくなり、虫歯や歯周病の予防にも効果的です。
ワイヤー矯正
ブラケットとワイヤーを使用して歯を移動させる従来の方法で、対応できる症例の幅が広く、治療効果が得られやすい特徴があります。
マウスピース型矯正
透明なプラスチック製のマウスピースを使用するもので、取り外し可能で目立ちにくい利点があります。
エラボトックス(ボツリヌストキシン療法)とは
エラボトックスとは、咬筋(こうきん)と呼ばれる噛む時に使う筋肉にボツリヌストキシンを注入する治療法です。咬筋は、一般に「エラ」と呼ばれる部分に位置する咀嚼筋で、咀嚼動作を担っています。
ボトックスは、筋肉への信号伝達を弱めることで筋肉の緊張を緩和する薬剤です。咬筋と神経の結合部に作用することで、過剰な筋肉の緊張を緩め、歯ぎしりや食いしばりを抑える効果があります。さらに、咬筋の緊張が和らぐことでフェイスラインがすっきりとし、小顔効果も期待できるのです。
矯正歯科治療とエラボトックス併用の7つの効果
矯正歯科治療とエラボトックスを併用することで、単独で行うよりも多くの効果が期待できます。特に以下の7つの効果は、多くの患者様から高い評価をいただいている点です。
1. 矯正歯科治療の効果を高める
エラボトックスは咬筋の緊張を緩和することで、歯に加わる力を軽減します。これにより、矯正歯科治療中の歯の移動がスムーズになり、治療効果が高まる可能性があります。特に、強い食いしばりや歯ぎしりがある方は、無意識のうちに歯に強い力をかけて矯正歯科治療の妨げになることがありますが、エラボトックスによってその力を抑制できるのです。
また、咬筋の緊張が緩和されることで顎の位置が安定し、より理想的な咬合状態に導きやすくなります。矯正歯科治療とエラボトックスの相乗効果により、治療期間が短縮される可能性もあるのです。
2. 顎関節症の緩和
矯正歯科治療中に顎関節症の症状が出ることがあります。これは歯の移動によって咬合が変化し、顎関節に負担がかかるためです。エラボトックスは咬筋の緊張を緩和することで、顎関節への負担を軽減し、顎関節症の症状改善に効果を発揮します。
顎関節症の主な症状である顎の痛み、開口制限、顎関節の音(カクカク音)などが軽減されることで、矯正歯科治療中の不快感が減少し、より快適に治療を続けることができるようになります。
3. 歯ぎしり・食いしばりの軽減
歯ぎしりや食いしばりは、歯や顎に大きな負担をかけるだけでなく、矯正装置の破損や治療効果の低下を招くことがあります。エラボトックスは咬筋の活動を抑制することで、これらの問題を効果的に軽減します。
特に就寝中の無意識の歯ぎしりは、通常のマウスピースでは完全に防ぐことが難しいですが、エラボトックスを併用することで筋肉そのものの活動を抑制できるため、より効果的です。歯ぎしりや食いしばりが軽減されることで、矯正装置の破損リスクが減少し、治療の安定性が向上します。
4. 小顔効果
エラボトックスの最も知られた効果の一つが小顔効果です。咬筋の緊張が緩和されることでエラの張りが減少し、フェイスラインがすっきりとします。矯正歯科治療によって歯並びと咬合が改善されると、顔の骨格バランスも整うため、エラボトックスとの併用でより調和のとれた顔立ちを実現できます。
特に、下顔面の幅が気になる方や、四角い顔が気になる方には大きな効果が期待できます。エラボトックスの効果は個人差がありますが、通常2〜3日で効果が現れ始め、約3〜4ヶ月持続します。定期的な施術を続けることで、咬筋の肥大が徐々に解消され、より長期的な小顔効果が得られるでしょう。
5. 矯正歯科治療中の不快感軽減
矯正歯科治療中は、歯の移動に伴う痛みや不快感を感じることがあります。特に装置の調整後は一時的に痛みが強くなることも少なくありません。エラボトックスによって咬筋の緊張が緩和されると、顎全体の緊張も和らぎ、矯正歯科治療の不快感が軽減されることがあります。
また、咬筋の緊張が原因で生じる頭痛や肩こりなどの症状も改善される場合があります。矯正歯科治療とエラボトックスを併用することで、より快適に矯正歯科治療期間を過ごせるようになり、治療へのモチベーション維持にもつながるのです。
6. 矯正歯科治療後の後戻り防止
矯正歯科治療後の「後戻り」は多くの患者様が心配されるポイントです。後戻りの原因の一つに、強い咬合力や食いしばりがあります。エラボトックスによって咬筋の過剰な力が抑制されることで、矯正歯科治療後の歯に加わる力が軽減され、後戻りのリスクを低減できる可能性があります。
特に、矯正歯科治療完了後の保定期間中にエラボトックスを併用することで、新しい歯の位置が安定するまでの間、過剰な力から歯を守ることができます。これにより、矯正歯科治療の効果をより長く維持できる可能性が高まります。
7. 総合的な審美効果の向上
美しい口元は、歯並びだけでなく、顔のラインとのバランスも重要です。矯正歯科治療によって歯並びを整え、エラボトックスによってフェイスラインをすっきりさせることで、全体的な審美性が大きく向上します。
さらに、エラボトックスには「ガミースマイル」(笑った時に歯茎が見えすぎる状態)の改善効果もあるため、笑顔の美しさも向上します。矯正歯科治療とエラボトックスの併用は、口元だけでなく顔全体の調和を考えた総合的な審美治療と言えるでしょう。
矯正歯科治療とエラボトックス治療併用の流れと注意点
矯正歯科治療とエラボトックスの併用治療をお考えの方のために、治療の流れと注意点についてご説明します。
併用治療の基本的な流れ
まず初めに、矯正歯科治療とエラボトックス治療それぞれについての詳しいカウンセリングを行います。お口の状態や顔の筋肉の状態を詳しく診査し、最適な治療計画を立てていきます。
矯正歯科治療は通常通り進めていきますが、エラボトックスは症状や目的に応じたタイミングで施術します。例えば、矯正歯科治療開始前に食いしばりが強い場合は先にエラボトックスを行い、筋肉の緊張を緩和してから矯正歯科治療を始めることもあります。また、矯正歯科治療中に顎の痛みが出た場合は、その時点でエラボトックスを行うこともあります。
エラボトックスの効果は約3〜4ヶ月持続するため、効果が薄れてきたと感じたら再度施術を検討します。当院では、MyOnyx(筋電計)を使用して筋肉の活動を数値化し、適切な量のボトックスを注入する「安心保障」をご用意しています。
注意点と副作用
エラボトックスは比較的安全な治療ですが、いくつかの注意点があります。まず、妊娠中や妊娠の可能性がある方、特定の疾患をお持ちの方は治療を受けられない場合があります。また、注射した部位に痛み、内出血、硬いしこり、発赤が現れることがあります。
効果には個人差があり、筋肉の状態や生活習慣によって持続期間が変わることもあります。また、初めての方は咬む力が弱くなることに違和感を覚えることもありますが、通常は数日で慣れてきます。
当院では、治療前に詳しく説明し、患者様一人ひとりの状態に合わせた最適な治療をご提案しています。不安なことがあれば、遠慮なくご相談ください。
矯正歯科治療とエラボトックス治療併用のよくある質問
最後に、矯正歯科治療とエラボトックスの併用に関してよくいただく質問にお答えします。
Q1: 矯正中にエラボトックスを受けても問題ないですか?
はい、問題ありません。むしろ、矯正中の歯ぎしりや食いしばりが強い方にはおすすめです。エラボトックスによって咬筋の緊張が緩和されることで、矯正治療中の不快感が軽減され、治療効果が高まる可能性があります。
Q2: エラボトックスの効果はどれくらい続きますか?
個人差はありますが、効果は2〜3日ほどで現れ始め、約3〜4ヶ月間持続します。定期的に施術を続けることで、咬筋の過緊張が徐々に改善され、より長期的な効果が期待できます。
Q3: 治療時間はどのくらいかかりますか?
エラボトックス注射は約15分で完了します。表面麻酔をご希望の場合は約40分かかります。矯正治療は症例によって異なりますが、ワイヤー矯正で約1年半〜2年、マウスピース型矯正で約6ヶ月〜1年が一般的です。
Q4: 費用はどのくらいですか?
当院では、咬筋へのエラボトックス治療を27,500円(税込)でご提供しています。MyOnyx(筋電計)によって適切な数値に至るまで施術する安心保障付きです。矯正治療は症例によって異なりますので、詳しくはカウンセリング時にご説明いたします。
Q5: 併用するとどんなメリットがありますか?
矯正治療とエラボトックスを併用することで、歯並びの改善だけでなく、顎関節症の緩和、歯ぎしり・食いしばりの軽減、小顔効果、矯正中の不快感軽減、後戻り防止、総合的な審美効果の向上など、多くのメリットが期待できます。
まとめ:美しい口元と小顔を同時に手に入れる
矯正歯科治療とエラボトックスの併用は、口元の健康と美しさを総合的に追求するための効果的なアプローチです。矯正治療で歯並びを整え、エラボトックスで咬筋の緊張を緩和することで、機能的にも審美的にも優れた結果を得ることができます。
特に、歯ぎしりや食いしばりがある方、顎関節症でお悩みの方、矯正治療中の不快感を軽減したい方、そして矯正治療と同時に小顔効果も期待したい方には、ぜひ併用治療をご検討いただきたいと思います。
当院では、患者様一人ひとりの状態やご希望に合わせた最適な治療プランをご提案しています。美しい口元と小顔を同時に手に入れたい方は、ぜひ一度カウンセリングにお越しください。


