インプラント費用の分割払い対応~負担を軽減する支払い方法

インプラント治療の費用負担を軽減する分割払いの選択肢
「インプラント治療を検討しているけれど、まとまった費用の準備が難しい・・・」
このような悩みを抱える患者さんは少なくありません。インプラント治療は自由診療となるため保険適用外であり、1本あたり30〜50万円程度の費用がかかります。複数本となれば、さらに高額になるため、経済的な負担が大きいと感じられる方も多いでしょう。
しかし、インプラント治療は失った歯の機能を回復し、長期的な口腔健康を維持するための有効な選択肢です。費用面での不安から必要な治療を諦めてしまうのは残念なことです。
当院では患者さんの経済的負担を軽減するために、様々な支払い方法をご用意しています。分割払いを活用することで、まとまった資金がなくても必要な治療を受けることが可能です。
目次
インプラント治療にかかる費用の相場と内訳
まず、インプラント治療の費用相場について正確に理解しておきましょう。
インプラント治療の全国的な平均費用は、1本あたり30万円から50万円程度が一般的です。この金額には手術費用や検査費用、使用する素材の違いによる変動が含まれており、地域やクリニックによっても差が生じます。
当院でのインプラント費用は、インプラント1歯あたり198,000円(税込)となっています。ただし、これに加えてアバットメント費用33,000円、上部構造費用(前歯77,000円、臼歯99,000円)などが別途必要です。また、オステムデジタルセンターでの診断分析費用や、必要に応じてOneGuide、再生医療、セデーションなどのオプション費用が発生します。
インプラント治療の費用が高額になる理由は主に3つあります。
- 治療するための設備にお金がかかる
- インプラント自体が高価である
- 治療期間が長くなる
このような高額な治療費を一括で支払うのは多くの方にとって負担が大きいでしょう。そこで活用したいのが分割払いの選択肢です。
インプラント治療費の分割払いオプション
インプラント治療費を分割払いにする方法は、大きく分けて3つあります。
それぞれのメリット・デメリットを理解して、自分に最適な支払い方法を選びましょう。
クレジットカード決済による分割払い
歯科医院がクレジットカード決済に対応している場合、クレジットカードの分割払い機能を利用できます。
選択できる分割回数はクレジットカード会社によって異なりますが、一般的な最小分割回数は3回、最大分割回数は24~36回程度です。1回あたりの支払金額を抑えられる便利な方法ですが、3回以上の分割では毎月の支払額に手数料が上乗せされることに注意が必要です。
デンタルローンの活用
デンタルローンは、金融機関や信販会社が提供している、資金の使途を歯科治療に限定した目的別ローンです。
デンタルローンの仕組みは以下の通りです。
- 患者様と金融機関などがデンタルローンの契約を締結
- 金融機関などが歯科医院に治療費を立替払い
- 患者様が金融機関などに元金と利息を分割で返済
選択できる分割回数は商品によって異なり、100回以上に分割して支払えるものもあります。金利はクレジットカードの分割払いより低く抑えられていることが一般的ですが、資金を借り入れるため利用には審査があります。
デンタルローンの利用条件には、申込者に一定の収入がある、申込時に18歳以上、申込時に65歳未満などの条件が設けられていることが多いです。
院内分割払いの可能性
一部の歯科医院では、院内分割に対応している場合もあります。院内分割は、歯科医院と患者様で分割払いの契約を結ぶ支払い方法です。
院内分割の特徴としては、決められた範囲内で支払回数を選べる、手数料がかからない、支払い方法を現金・クレジットカードから選べるといった点が挙げられます。手数料がかからなければ、分割払いにしても支払総額は増えません。
しかし、歯科医院独自の制度であるため、詳細はケースごとに異なります。また、院内分割を設けていない歯科医院も少なくありません。必ず選択できるわけではない点に注意が必要です。
医療費控除を活用した実質負担の軽減
インプラント治療費の負担を軽減する方法として、医療費控除の活用も検討すべきでしょう。
結論から言うと、インプラント治療は医療費控除の対象となります。インプラント治療は、失った歯の機能を回復するための治療であり、単なる美容目的ではないため、医療費控除の対象となるのです。
医療費控除の基本条件
医療費控除を受けるための基本的な条件は以下の通りです。
- 年間の医療費が一定額を超えていること(1月1日から12月31日までの1年間で支払った医療費の合計額が10万円を超えること。ただし、年収が200万円未満の場合は「総所得金額等の5%」が基準になります)
- 自分自身または生計を一にする家族のために支払った医療費であること(配偶者や子供、親など同一生計の家族の医療費も合算できます)
- その年に実際に支払った医療費であること(2025年に治療を受けても、支払いが2026年になれば2026年の医療費控除の対象になります)
インプラント治療で医療費控除を確実に受けるためには、適切な領収書と証明書類を保管しておくことが重要です。領収書には医療機関名、治療を受けた人の氏名、治療日、治療内容(「インプラント治療」と明記されていること)、支払金額が記載されていることが必要です。
医療費控除は会社の年末調整では対応できません。必ず自分で確定申告を行う必要があります。会社員の方も、医療費控除を受けるためには別途確定申告が必要です。
インプラント治療の分割払い事例と月々の負担額
具体的な事例を見ながら、インプラント治療の分割払いによる月々の負担額をイメージしてみましょう。
当院でのインプラント1本の治療費用(インプラント本体、アバットメント、上部構造を含む)が約33万円とした場合の月々の支払い例です。
クレジットカード分割払いの場合
- 12回払い:月々約28,500円(手数料含む)
- 24回払い:月々約14,700円(手数料含む)
- 36回払い:月々約10,200円(手数料含む)
※実際の金額はクレジットカード会社の設定する金利によって異なります。
当院では支払いは1次オペ、2次オペに分けています。2次オペは植立後インプラントの免荷期間を経過し、上部構造を製作することが決定した時点でお支払いいただきます。支払いは現金、振り込み、カードのみになります。支払いの分割はカードの一括引き落としか、何回かに分けるのかは患者様に委ねられます。
インプラント治療の分割払いに関するよくある質問
最後に、患者さんからよく寄せられる質問にお答えします。
Q. 分割払いを選ぶと総額はどれくらい高くなりますか?
- 分割払いの種類や回数によって異なります。クレジットカードの分割払いでは、12回払いで元金に対して約5〜7%、24回払いで約8〜12%程度の手数料が上乗せされることが一般的です。院内分割の場合は、医院の方針によって手数料がかからないケースもあります。
Q. 治療途中で支払い方法を変更できますか?
- 基本的には契約時に決定した支払い方法の変更は難しいです。クレジットカードの分割払いは金融機関との契約になるため、途中変更には制約があります。ただし、一括返済への変更は可能な場合が多いので、資金に余裕ができた場合はご相談ください。
Q. 審査に通らなかった場合の選択肢はありますか?
- クレジットカードの審査に通らなかった場合でも、院内分割が利用できる可能性があります。また、治療内容を段階的に進める方法や、治療優先順位を考慮した計画の見直しなども検討できます。経済的な事情は遠慮なくご相談ください。個々の状況に応じた対応を検討いたします。
Q. 医療費控除と分割払いは併用できますか?
- はい、併用可能です。医療費控除は実際に支払った年の控除となるため、分割払いの場合は各年に支払った金額が、その年の医療費控除の対象となります。例えば2025年に12回払いを開始し、6回分を2025年に、残り6回分を2026年に支払った場合、それぞれの年の支払額をその年の医療費として申告できます。
Q. 分割払いを利用すると治療内容に制限がありますか?
- 治療内容に制限はありません。分割払いはあくまで支払い方法の選択肢であり、必要な治療の質や内容を妥協する理由にはなりません。患者さんの口腔健康を最優先に考えた最適な治療計画を提案いたします。
まとめ:費用負担を軽減してインプラント治療を実現するために
インプラント治療は高額になりがちですが、分割払いを活用することで経済的な負担を軽減し、必要な治療を受けることが可能です。クレジットカード決済、デンタルローン、院内分割といった選択肢から、ご自身の状況に最適な方法を選ぶことが大切です。
また、医療費控除を活用することで、確定申告を通じて税金の一部が還付される可能性もあります。治療費の負担を少しでも軽減するために、これらの制度をぜひ活用してください。
インプラント治療をご検討の際は、治療内容だけでなく、支払い方法についても遠慮なくご相談ください。
健康な口腔環境を取り戻すためのインプラント治療。費用面での不安を解消し、安心して治療に臨んでいただけるよう、当院はしっかりとサポートいたします。


